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真葛香山 二代・三代国内需要向け作品(12)


12回続けて参りました「二代・三代国内需要向け作品」シリーズも本日で一区切りとさせて頂きたいと思う。



三代製作の白磁の湯飲みです。

おそらく、この作品は型を使用して製作されたものと思われます。

今まで紹介させて頂いた作品以外にも、真葛焼には「ご飯用のお茶碗」や「爪楊枝入れ」なども存在し、いかに幅広く製造を行っていたかがわかります。

明治、大正という時代を考えれば、陶工は、芸術家として一人で芸術品だけを製作すればよかった時代ではなかったですし、戦争や世界恐慌などを考えれば美術品だけで窯を維持することが困難な時期もあったのです。

また、ご存知のように、真葛焼はひとつの工房でした。

初代、二代、三代が、それぞれ自ら全て製作した作品だけでなく、真葛工房として弟子たちが製作したり、製作補助したものも真葛焼として世に出されています。

真葛焼には、素晴らしい美術作品も多くある一方で、美術品としては見れないような作品も多く存在しているのも事実です。

そして、その素晴らしい美術作品と言えるような作品のほとんどは、輸出されていたのです。

高浮き彫りや、華やかな釉下彩の色絵磁器は、そのほとんどが海外に存在していました。

真葛焼が正当に評価されてこなかった理由は、そんなところにもあるような気がするのです。

国内に比較的多く存在する、特注のノベルティー商品や、生活日用品が、真葛焼の正当な評価を妨げてきたということもあるのではないでしょうか。

しかしながら、最近では美術作品としての真葛焼が多く里帰りを果たし、今日の再評価につながってきています。





もっともっと、多くの素晴らしい真葛焼が、里帰りを果たすことを期待したいと思う。

今日もブログを見て頂きありがとうございました。

真葛 博士
(マクズ ヒロシ)

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