湯布院に行ってきました。
2009年3月11日http://e-keiba.biz/
湯布院に行ってきました。
先週は3泊4日で、湯布院と黒川温泉に行ってきた。
フジロックが始まってから約10年。
夏の間はいろんなフェスで慌ただしく、旅行どころではなくなってしまったので、毎年、ヨメとゆっくり旅行に行くのは10月~11月のこの時期ということになっている。
さあ、今年はどこに行こうかということになり、このところふたりして海外よりも国内再発見といったモードになっているので、屋久島に行きたいとも思ったのだが、なんとなく「あまり出歩かず、いい旅館でおいしいもの食べて、ゆっくり読書したい」という気分だったので、湯布院に連泊しようということに。
さらにスケジュール的にもう1泊できそうだったので、少し足をのばして黒川温泉もつけたのだ。
10月29日(水)~30日(木)
大分空港からレンタカーで、開けた景色を見ながら爽快なドライヴ。
運転するのはヨメなので、僕は助手席で無邪気に「気持ちいいねー」などと言ってるだけ。
チェックインの3時より30分ほど早く宿に着き、お茶など飲んで待つその空間からもう、静謐と言っていい空気感。
そう、そこは泊まってみたい宿のランキングで常に上位に入る「湯布院の御三家」のうちのひとつ、亀の井別荘。
窓の外は、うっそうと茂る木々。
スッとした空気と静けさを感じながら珈琲(←カタカナじゃなく漢字で書きたくなるのです)など口にしていると、音楽ライターの自分が名作家になった気にもなってくる。
せっかくなら違う雰囲気を味わおうと、一日目は欧風の洋室、二日目は離れの和洋室に泊まったのだが、どちらもそれぞれに趣があって甲乙つけがたし。
が、無駄なく贅沢にも感じられるレイアウトと照明の加減が心地よく、読書するにも最適な洋室にまた泊まりたいという気持ちが僕的にはやや強く残ったかもしれない。
「いいねー、こういう部屋にずっといられたら、書く文章ももっとよくなるだろうねー」と僕。
「そう思うなら、家に溢れてるCDを早く処分して」とヨメ。
このやりとりはいつものことだが、今回は特に説得力があって「確かに」と頷かざるを得なくなった僕であった。
着いた日は、まだ木々の葉は緑色。
惜しい、紅葉には一足早かった……と思っていたのだが。
二日目がグンと冷え込み、それでいきなり進んだようで、三日目などはすっかりいい色づきに。
黄色と、そしてモミジのあかが、とてもキレイだった。
今まであまり紅葉がどうだなんて気にしたりしてこなかったのだが。
歳をとったということなのだろう、こんなにも紅葉に心を動かされるとは。
人生においても、もう秋だということですよ。
そしてそれを受け入れるのはまったく悪い気持ちじゃない。
若い頃にわからなかったよさがわかるようになるというのは、そう、まったく悪い気持ちじゃない。
それと温泉。
これも歳をとるごとに好きになっていって、最近はもう本当に、夕方からいい湯につかって、そのあと美味しいものを食べるその至福に勝ることが世の中にあるだろうかとさえ思うようになってしまった。
心底、いいお湯。
そして、絶品の料理。
焼酎は、大分は麦がうまいそうで。
勧められていただいた「兼八」という麦焼酎が独特のクセがあって本当に美味であったな。
食事のあとには、ロビーでまたステキで贅沢な時間があった。
名機であろう蓄音機が2台そこにあり、SP盤の観賞会のようなものがあったのだ。
先月、朝霧ジャムの記事でこのブログでも紹介したトリオ、キティー・デイジー ルイスのルイスくん(18歳)がロンドンのクラブでSP盤だけを使ってDJしてる……なんていう話から、ちょうどSPを聴きたい気持ちが高まっているこのごろでもあったので、これは絶好の機会だった。
クロスビーやプレスリーなどのヴォーカルものスタンダードから、ピアフのシャンソン、それに「G線上のアリア」といったクラシック曲まで、その豊かな音に浴衣姿で(ユタカとユカタをかけたわけじゃないですよ)聴き入るその幸せをなんと例えたらいいのか。
とりわけヴォーカルものなどは、まさに今この場所でその歌手が歌っているようにも聴こえ、グッと心に響いてきた。
そして竹針と鉄針の音の違いなどうかがっているうちに、ああ、僕はSP盤の蓄音機が欲しくなってしまったのだった。
そんな時間があまりによかったため、二日目の夜もまた聴きに行き、リクエストまでしてしまった。
「昨日聴いたビング・クロスビーの声がもう一度聴きたくなったので、季節的にはちょっと早いけど“ホワイト・クリスマス”なんてあったりしますか?」
すると、「“ホワイト・クリスマス”は今はないのですが、“サイレント・ナイト”ならあるので、あとでおかけしますね」と。
ひとまず終わって何人かが部屋に戻ったあと、残って特別に聴かせていただいたクロスビーの「サイレント・ナイト」。
あれは、沁みたぁ……。
竹針を専用の鋏で切らせてもらったりも。
二日目は、早朝だけ金鱗湖に靄がかかってキレイだと聞いたので、7時頃に起きて寒さに震えながらも散歩。
なるほど、キレイだし幻想的。
早起きしてよかった。
午後は周辺をブラブラ。
かつては静かだったものの、何年か前にNHKのなんとかという連続ドラマの舞台に湯布院がなり、以来、観光客が急増したそうな。
なるほど、目抜き通りなどは品があるとはいい難い新しめの土産屋もけっこう並んでいるのが、ちょっと残念。
ではあったが、それでも情緒ある道もあるにはあって、特に川沿いの道がいい感じ。
玉の湯さんのティールームニコルでアップルパイ食べて休憩しつつ、そのあとに行った湯布院美術館が、由布岳も鮮やかに望めてくつろげる空間だった。
玉の湯のティールームニコルから。
時間が止まったような湯布院美術館。
↓居候猫が気持ちよさそうに昼寝。
金鱗湖で見上げた空があまりにキレイで…。
帰りに、「グレゴリア聖歌」が静かに流れる茶房 天井桟敷でココアを。
ここの2階がとてもいい雰囲気でした。
そして、黒川温泉へ。
それについてはまた次回。
湯布院に行ってきました。
先週は3泊4日で、湯布院と黒川温泉に行ってきた。
フジロックが始まってから約10年。
夏の間はいろんなフェスで慌ただしく、旅行どころではなくなってしまったので、毎年、ヨメとゆっくり旅行に行くのは10月~11月のこの時期ということになっている。
さあ、今年はどこに行こうかということになり、このところふたりして海外よりも国内再発見といったモードになっているので、屋久島に行きたいとも思ったのだが、なんとなく「あまり出歩かず、いい旅館でおいしいもの食べて、ゆっくり読書したい」という気分だったので、湯布院に連泊しようということに。
さらにスケジュール的にもう1泊できそうだったので、少し足をのばして黒川温泉もつけたのだ。
10月29日(水)~30日(木)
大分空港からレンタカーで、開けた景色を見ながら爽快なドライヴ。
運転するのはヨメなので、僕は助手席で無邪気に「気持ちいいねー」などと言ってるだけ。
チェックインの3時より30分ほど早く宿に着き、お茶など飲んで待つその空間からもう、静謐と言っていい空気感。
そう、そこは泊まってみたい宿のランキングで常に上位に入る「湯布院の御三家」のうちのひとつ、亀の井別荘。
窓の外は、うっそうと茂る木々。
スッとした空気と静けさを感じながら珈琲(←カタカナじゃなく漢字で書きたくなるのです)など口にしていると、音楽ライターの自分が名作家になった気にもなってくる。
せっかくなら違う雰囲気を味わおうと、一日目は欧風の洋室、二日目は離れの和洋室に泊まったのだが、どちらもそれぞれに趣があって甲乙つけがたし。
が、無駄なく贅沢にも感じられるレイアウトと照明の加減が心地よく、読書するにも最適な洋室にまた泊まりたいという気持ちが僕的にはやや強く残ったかもしれない。
「いいねー、こういう部屋にずっといられたら、書く文章ももっとよくなるだろうねー」と僕。
「そう思うなら、家に溢れてるCDを早く処分して」とヨメ。
このやりとりはいつものことだが、今回は特に説得力があって「確かに」と頷かざるを得なくなった僕であった。
着いた日は、まだ木々の葉は緑色。
惜しい、紅葉には一足早かった……と思っていたのだが。
二日目がグンと冷え込み、それでいきなり進んだようで、三日目などはすっかりいい色づきに。
黄色と、そしてモミジのあかが、とてもキレイだった。
今まであまり紅葉がどうだなんて気にしたりしてこなかったのだが。
歳をとったということなのだろう、こんなにも紅葉に心を動かされるとは。
人生においても、もう秋だということですよ。
そしてそれを受け入れるのはまったく悪い気持ちじゃない。
若い頃にわからなかったよさがわかるようになるというのは、そう、まったく悪い気持ちじゃない。
それと温泉。
これも歳をとるごとに好きになっていって、最近はもう本当に、夕方からいい湯につかって、そのあと美味しいものを食べるその至福に勝ることが世の中にあるだろうかとさえ思うようになってしまった。
心底、いいお湯。
そして、絶品の料理。
焼酎は、大分は麦がうまいそうで。
勧められていただいた「兼八」という麦焼酎が独特のクセがあって本当に美味であったな。
食事のあとには、ロビーでまたステキで贅沢な時間があった。
名機であろう蓄音機が2台そこにあり、SP盤の観賞会のようなものがあったのだ。
先月、朝霧ジャムの記事でこのブログでも紹介したトリオ、キティー・デイジー ルイスのルイスくん(18歳)がロンドンのクラブでSP盤だけを使ってDJしてる……なんていう話から、ちょうどSPを聴きたい気持ちが高まっているこのごろでもあったので、これは絶好の機会だった。
クロスビーやプレスリーなどのヴォーカルものスタンダードから、ピアフのシャンソン、それに「G線上のアリア」といったクラシック曲まで、その豊かな音に浴衣姿で(ユタカとユカタをかけたわけじゃないですよ)聴き入るその幸せをなんと例えたらいいのか。
とりわけヴォーカルものなどは、まさに今この場所でその歌手が歌っているようにも聴こえ、グッと心に響いてきた。
そして竹針と鉄針の音の違いなどうかがっているうちに、ああ、僕はSP盤の蓄音機が欲しくなってしまったのだった。
そんな時間があまりによかったため、二日目の夜もまた聴きに行き、リクエストまでしてしまった。
「昨日聴いたビング・クロスビーの声がもう一度聴きたくなったので、季節的にはちょっと早いけど“ホワイト・クリスマス”なんてあったりしますか?」
すると、「“ホワイト・クリスマス”は今はないのですが、“サイレント・ナイト”ならあるので、あとでおかけしますね」と。
ひとまず終わって何人かが部屋に戻ったあと、残って特別に聴かせていただいたクロスビーの「サイレント・ナイト」。
あれは、沁みたぁ……。
竹針を専用の鋏で切らせてもらったりも。
二日目は、早朝だけ金鱗湖に靄がかかってキレイだと聞いたので、7時頃に起きて寒さに震えながらも散歩。
なるほど、キレイだし幻想的。
早起きしてよかった。
午後は周辺をブラブラ。
かつては静かだったものの、何年か前にNHKのなんとかという連続ドラマの舞台に湯布院がなり、以来、観光客が急増したそうな。
なるほど、目抜き通りなどは品があるとはいい難い新しめの土産屋もけっこう並んでいるのが、ちょっと残念。
ではあったが、それでも情緒ある道もあるにはあって、特に川沿いの道がいい感じ。
玉の湯さんのティールームニコルでアップルパイ食べて休憩しつつ、そのあとに行った湯布院美術館が、由布岳も鮮やかに望めてくつろげる空間だった。
玉の湯のティールームニコルから。
時間が止まったような湯布院美術館。
↓居候猫が気持ちよさそうに昼寝。
金鱗湖で見上げた空があまりにキレイで…。
帰りに、「グレゴリア聖歌」が静かに流れる茶房 天井桟敷でココアを。
ここの2階がとてもいい雰囲気でした。
そして、黒川温泉へ。
それについてはまた次回。
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